流しの二人

  • Author: 流しの二人
  • ここにゃ何もありゃしない。




スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[--/--/-- --:--] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

[CD] 鵺の森 

鵺の森

毎回アルバムやシングルが出るときはそうなのだが、各方面からの 「感想早く書けよ」 的な圧が凄いんすケド。
つことで、感想のつもりで書いたが、解説だか知ったかだかなんだかワカラン風な文章になったw。
イイカゲンなことも多々書いていると思われるので、他で転用しないようにw。

◆ ◆ ◆


鵺の森

初聴きのときから、こいつはとんでもなくスゲェ曲が来ヤガッタ!と打ち震えたもんなのだが、
ようやく最近は落ち着いてきた次第w。 もう何度聴いたかわからんわー。


残酷な童話 (アンデルセンではなく、グリム的なそれ) のような色味を感じる仕上がり。
フクヤマン史上最も暗く重いかもしれないこの曲がシングルA面で出せちゃうってのは、
他の種類のタイアップでは考えにくく、今回の巡りあわせには、海より深く感謝しなければならん。

メロディや曲の構造はとてもシンプルだ。
けれど、同じメロディの箇所でも、歌い方や各楽器の動きには必ず変化があり、単調さはない。
2番頭のドラムをはじめ、特に終盤、サビの繰り返し部分のドラムは圧巻といえる。

本当に "悪夢" の中を彷徨うかのような1番、そして、"自暴自棄" ともとれる2番、
時系列に沿って感情の変化が描かれ、サビの歌い方も回数を重ね後半になればなるほど、その激しさを増してゆく。
この一曲の中だけで、なんて変化に富む歌い方の数々なのかと、度々息を呑む。
上手い、という形容ではまだ足らぬ。 これは、もはや他の者では絶対代替不能な表現だ。

この曲の2つのギターソロは、音も構造も、いかにもアカラサマに福山ヨシキング的であり、
ここだけを初めて聴かされたとしても、誰が作ったソロなのか、判別できる自信があるw。

しかしアレだ、この曲の真の聴き所は、詞のない部分なのかもしれない。
すなわち、最後のサビ終わりからの、常人ではありえぬ情感豊かなハイトーンシャウト、そして、ギターとのユニゾンで放たれる荒々しき咆哮、そうした部分。 ここでは、悲しみやら怒りやら、様々な割り切れぬ感情、そのすべてが叫びとなって、ぶちまけられている。
これほどまでに、曲の中でのシャウトが必然と感じた場面は、今までになかった。
単なるカッコつけではない、必然的に叫ぶ理由が、ここにはあるのだ。
だからこそ、激しく、どうしようもなく、心を揺さぶられた。 何度聴いてもそうだ。 これは凄い。

さらに、続くエンディングでは、泣きのギターソロ終わりの音が棚引くその終点で、トラツグミが鳴くという、"粋" な〆となっており、素晴らしいにもほどがある。 気がつく者はそれほど多くはないのかもしれないが、これぞ匠の業だ。 神は、細部に宿る。
トラツグミの鳴き声はYouTubeあたりでも聴けるので、興味のある人は検索してみるとよい。
どこか儚く物悲しい、その美しい声が聴けるだろう。


サナギ

フクヤマン史上、かつてこれほどまで露骨に、Cメジャーの "カノン進行" で展開する曲はなかった。
カノン進行 (大逆循環) とは、パッヘルベルの 『カノン』 における 「C-G-Am-Em-F-C-F-G」 を基調とするコード進行をいう。
上のコード進行は本来Dマイナー (ニ短調) であるものをCメジャー (ハ長調) に書き換えたものだ。 一部 (特に4・7番目) は代替コードで置換される場合もある。 この進行を採る場合、いかにしてメロディを既存のそれとは違った斬新なものとするかが課題となる。 その点 『サナギ』 は、奇を衒いすぎず、かといってありふれているわけでもない、"響く" メロディになっているように思ふ。

カノン進行の曲は、そのテンポを変えることで、異なる効果を生み出せるとされる。
すなわち、スロー~ミディアムテンポなら 「郷愁」 や 「哀愁」 を、アップテンポなら 「勇気」 や 「希望」 を強く感じさせる、という効果だ (詞やアレンジの仕方次第では、これらの効果は減殺されうる)。 『サナギ』 では、それを1曲の中で、「同時に」 やっている点が特徴的だ。
1番ではピアノを前面に出し、ややゆったりとしたテンポで主人公の悲哀を歌い、
2番以降ではテンポアップし、たとえ独りになろうとも泥臭く運命に立ち向かおうとする姿を描く、ヒロイズム溢れる展開となっている。

一見すると救いようのないほどの暗黒に、理不尽に叩き落された主人公。
彼への 「救済」 としての曲が、この 『サナギ』 なのだと思う。
ラストの教会音楽風の展開も、そういった 「救済」 のイメージに起因するものなんじゃなかろうか。
さながら、大聖堂のルーベンスの絵の下に辿り着いたネロのようでもある ( 「フランダースの犬」 のあれは、いわゆるバッドエンドではない)。 まあ、「救済」 の方向性は若干違うけれども。

Cメロがある構造をはじめ、次々と変化してゆく展開は、1番だけが公開されていた当初には想像できなかったが、とんでもなくワクワクさせられた。 紆余曲折あってこの展開になった可能性もあるが、結果、非常に充実した1曲に仕上がっているように思う。
シンプルなヴォーカルを補うように、ギター、ベース、ドラム、鍵盤、各楽器が盛大に "歌う" 濃密な音作りは、正に福山さんの真骨頂が発揮されている。 例によって、各楽器それぞれに見せ場がちゃんと用意されているのもニクイ。

詞は珍しく、2番のサビ前までに不調を感じる。
歌の上手さやアレンジの変化で少々誤魔化されている感もあるのだが、1番よりも随分とパワーダウンしているように思うのだ。
残酷な色鮮やかさが漂う1番との対比において、ありふれた日常の回想から入る2番は、いかにも弱い。 いや、だからこそ対比が効いて良いのだ、とも言えるのだけども、やはり、2番にはもっと強いメッセージを求めてしまう今日この頃。
それにしても、何度聴いても、「無邪気に」 は 「むじゃきずに」 としか聴こえん罠w。


一番星と君と

近年、ここまで圧倒的にフクヤマンコーラスが炸裂した曲があっただろうか!?―――否ッ!
というほどに、重ねに重ねたコーラスが特徴となった 『一番星』。 ライブではありえないが、スタジオテイクならではのアレンジとも言えようか。 「シナプス」 以降、わりとソリッドな感じの印象だったんで、よりこの曲のアレンジの存在感が際立つというものだナ。
シングル発売前の段階においても、他の二曲との比較から、この曲にはかなりコーラスを "盛って" くるであろうことが予想されたが、いくらなんでも盛り過ぎである。 2番終わりの 「いつまでも~ぉお~↑」 には笑うしかない。 いいぞ、もっと盛れw。
ハッ!? ま、まさか、こ、これが 「鵺の盛り」 って奴なのか!?
・・・ヌエ、恐ろしい子!!


原曲が女性ヴォーカルってこともあり、キーはそれより半音下がったが、これまでアコギ1本でライブ演奏された際は1音半低く歌われていたので、ライブよりは1音上がったことになる。 なのでライブの時よりも、気持ち軽やかな仕上がりになったと思ふ。 コーラスを重ね過ぎてて若干重いので、その辺との兼ね合いの意味でも、このバランスは絶妙。
アコギは2カポで弾きやすいから、(Fが弾けるなら) ビギナーにもおすすめだ。

この曲にもピアノが入っていて、結局3曲ともピアノを強く感じる部分を持つという点で、一貫している。
「リバースデイ」 のジャケ写の構図は、このシングルのようなチャンスが来るまで是非とも温存しておくべきだったと、拙者は思ふのだ。 リバースデイは結構なジャケ写詐欺だからw。

さて、実はこの曲のサビにも上述の 「カノン進行」 が使われている。
サナギは (おそらく) ワザと、それと判るようにして作られていたのに対し、こちらは (おそらく) それと判らないようにして作られている。 どちらも 「希望」 を感じさせる部分を内包しながらも、一方は音の厚みを楽器群 (主としてコード楽器) で、他方は主として声 (コーラス) で生み出している点で、両者は大きく異なる。 2曲が並ぶからこそ、「一方でやったことは他方でやらない」 という選択がなされているとも言えるんで、互いに良い相乗効果を生んでいるんではなかろうか。

ちなみに、『鵺』 と 『サナギ』 はイントロがない点で共通するが、前者の1音目は声から始まり、後者のそれはピアノから始まる。 というように、3曲はすべて違って作られている。 これもやっぱり、、「一方でやったことは他方でやらない」 選択の結果なのかもしれない。

 ◆ ◆ ◆


てなわけで、3曲とはいえ、その充実度たるや、ヘタなアルバム1枚分にも相当するんじゃネーノかっつうくらい、濃いシングルだ。 個人的には、ハミング含め、歴代シングルの中でもトップクラスに良いデキだと思ふ。
これ1枚で福山さんの持つ魅力の多くを堪能できると思われるので、いっそ宣伝代わりに配って回りたいくらいなのだが、裏ジャケに潜む陰謀のせいで断念せざるをえないです国王。 ガッデーム!

[2014/05/25 03:24] CD/DVD | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nagashi.blog2.fc2.com/tb.php/913-907ec635



07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。